ダイアモンドシティー・クレア の 夜間照明
   
             
  熊本県で光害防止条例が制定されたあとに完成した、県内最大級の郊外型で大型の商業施設。「光害を出さないように配慮すること」という指導を受けたはずなのだが、指導する側の認識が甘いのか、設計・施工側が「指導」を軽視する考えであったのか、真相は私達には見えないが、出来上がった施設は、「光害」への配慮に欠ける施設になっている。この地域では、以前から小学生を主な対象とした「星空観察会」が九州東海大学などの手で行われてきたが、夜空が格段に明るくなり、「星が見えにくくなった」「夜空の明るさに驚いた!」という声が届くようになった。

   
 

城南町側から嘉島町・熊本市方向へ北に向かって車を走らせると緑川にかかる大きな橋を渡る。その橋の上から車の窓を開けて右手方向を見ると、ボーっと大きな光の盛り上がりが見える。これがダイアモンドシティー・クレアだ。これが「光害防止」条例施行後にできた施設だと聞くと驚く他はない。条例による指導がなければ、一体どうなっていたのだろう?

なぜ、こんなにも光があふれているのか、近寄って先ずはチェックしてみよう。

 
 
   
 
最初に気づくのは、壁面照明だ。かなりの数の照明器具が、壁を下から上に向けて照らすように設置してある。つまりこの施設では、「上方光束を制限する」という光害対策の基本が守られていないということだ。一体、熊本県は「条例」に基づいてどんな指導をしたのだろうか?

この地域は、天文台からは数Km離れているので、設置に伴う事前の連絡もなく、意見を提出する機会についても知らされていなかった。
 
 
 
 
現在は大規模店舗の出店は野放しに近い状態で、つい最近になって中心商店街の衰退や、撤退後の地域社会の崩壊などその深刻な影響が懸念されるようになっているが、法令や条例ではまだ有効な規制はできない状態だと思われる。
「光害防止」の条例があってさえこのような施設が建設されるのであれば、私達はあっという間に穏やかな夜の景観を失ってしまうだろうし、「昼間は明るく夜は暗い」という自然のリズムをなくしてしまうに違いない。条例制定後に建設・開業する施設であり、県が「条例に基づいて指導している」と聞いていたので、「光害対策がなされるはず」だと期待していたが、ここまで環境行政が無力だとは・・・・。

光害を無くしていくためにはどうしても地域住民の力強い取り組みが不可欠なようです。