星空の見えるまちづくり   夜間照明 1  
             
    私たちは「星空の見えるまちづくり」に取り組んでいる。無神経に四方八方に振りまかれる明るすぎる光を減らそうという取り組みだ。進め方は、上や横への漏れ光を出さない「上方光束ゼロ」というタイプの照明器具を採用するというとても分かりやすい手法だ。
「光が主人公」になりすぎた感のある我が町の夜景を、少しでも落ち着いたものに変えようと取り組んでいる。うまく進めば、ギラギラとしたまぶしさが確実に減る。車を走らせても快適で、周囲や歩行者がよく見える。これなら、交通事故ワースト記録からも抜け出せるに違いない。
   
 
町の中心を南北に走る国道、商業施設が集中する一帯。ここの街路灯は「上方光束ゼロ」。 大方のお店が営業を終わる22時を過ぎると、ご覧のようなしっとりとした夜景になる。
明るすぎる看板照明や、周辺の「開放型」照明器具を改修して頂けると、にぎやかな時間帯もグッと落ち着いた夜景になり、車を降りてつい歩いてみたくなる、そんな通りになると思う。
 
             
 

我が町では、通学路や各集落の防犯灯に、メーカーの協力を得て製作された防犯灯が多数採用されている。もちろん、上や横に漏れ光を出さない「上方光束ゼロ」というタイプだ。右は急な坂に防犯灯が設置されている団地の写真だが、道路だけが明るく、他への漏れ光が少ないことが分かる。設置して気づいたのだが、従来の直管型蛍光灯の機種に比べると、ランプの寿命も格段に長く手間もかからない利点が分かった。
 
             
  同じ道路で、今度は坂の上から見下ろすように撮影した。道路だけが明るく見えていて、この防犯灯からは上や横方向の漏れ光が少ないことが良く分かる。写真の中央右寄りに見える青っぽい光は、坂を下って県道を越え、更に100mほど先の川を越えたあたりにある従来型の防犯灯だ。団地内の防犯灯よりもはるかに多くの漏れ光を、しかも上方向に出していることが分かる。こうした漏れ光は簡単に数km先まで届く。  
             
  他愛もない取り組みだと思われるかも知れないが、これで結構漏れ光を減らせる。落ち着いた夜景になり、ギラギラ感が無くなった。省エネのために明かりを消して「真っ暗にする」のとは違い、明るく安全な暮らしとの両立がはかれる。周囲のお宅も窓を照らされたりする漏れ光がグッと少なくなり、住民にはとても好評だ。  
     
 

左:田んぼの中の通学路に

右:田んぼに隣接する住宅地

下:ここも通学路

最小限度の漏れ光で、安全や安心を確保しています

 
     
             
 

右は、既存の直管20W型蛍光灯の防犯灯が設置されている路線の夜景だ。かなりの量の漏れ光があって、路面は暗く、蛍光灯の光源だけが遠くまでギラギラと見えている。対向車のライトと重なると、歩行者が見えにくい。

上方光束ゼロの地区と見比べるとその差は歴然としている。