山口情報芸術センターの山崎と申します。 先日、いただきましたご意見につきまして、下記の通り回答いたします。
私どもが、施設の開館記念事業として11月1日から24日まで開催しておりました「ア モーダル・サスペンション−飛びかう光のメッセージ」は、山口の中心部を流れる河
川に見られるホタルの乱舞や、ちょうちん祭りなど、山口に残る光の自然や独自の文 化を題材にした芸術作品展示事業として実施したものでございます。
ホタルが、尾の光でコミュニケーションをとるように、インターネットや携帯電話か らのメールを通じて人々から発せられるメッセージを光の信号に変え、世界中の人々
が互いに交信している様子を山口の夜空に出現させるという内容の作品です。
公共空間を舞台にした作品展示であったことから、実施に際しましては、光を放つ方 向も地域住民の生活空間はもとより生態系にも影響のないよう、角度を厳密に計算い
たしました。 事前に、近隣住民や業務ビルに入居の皆様にも説明を行うとともに、市民の皆様にも 周知を徹底し、ご理解を賜るようお願いいたしました。
艶島様からご指摘をいただきました環境省発表の「光害対策ガイドライン」や「光害 対策に係るガイドブック」で明記されている規制内容につきましては、公共団体等が
恒常的に設置する街路灯や、娯楽業者等によるサーチライトなどの照明器具を使用し た広告活動を対象に、景観や自然環境、エネルギー問題への配慮を促すことを目的と
したものと理解しております。
その趣旨に則しますと、「アモーダル・サスペンション」は、芸術作品の展示であり、 期間を限定したプロジェクトであることからも、この対象とは異なるものと認識して
おります。
開催期間中に獅子座流星群の観測日があったことから、天体観測を愛好される方々か ら苦言もいただきましたが、一方では「これまで夜空を見上げることなどなかったが、
この光を見るために毎日夜空を見るようになった」という嬉しい声もよせられており ます。 これを機会に、1人でも多くの方が山口の美しい夜空を見上げ、自然への興味を喚起
し、山口のまちの美しさを再認識していただければ、私どもといたしましてもこれほ ど喜ばしいことはございません。
貴法人が取り組んでおられる光害対策への取り組みは、尊い活動であるものと考えて おり、当館も平常時は施設のライトアップを最低限にいたし、近隣はもとより、まち
なみの景観を損なうことのないよう心掛けております。
今後も、いただきましたご意見を肝に銘じ、多方面に対して配慮を欠くことのないよ う、より有意義で質の高い事業運営を目指して参ります。 この度は貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。
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2003年12月05日
山崎里恵 山口情報芸術センター
Yamaguchi Center for Arts and Media
〒753-0075 山口市中園町7-7
tel:083-901-2222 fax:083-901-2216
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